BSE患者の尿、便は感染性廃棄物か?

WHOのガイドラインには次のような記載があります

病院やhealthcare facility (介護施設)の環境の中では,高感染性組織や髄液によって汚染されたドレナージの装置やリネン類,綿棒などは,Biohazard とラベルした強固なプラスチックバッグや容器に回収し,焼却されるべきである.低感染性の組織やそこからの汚水も注意して扱われるべきである.
感染性が検出されない組織や分泌物,排泄物に関しては,一般の体液やそれによって汚染されたリネン類,装置,環境の扱いに対する標準的な注意以上の特別なものは必要ない.家庭からの他の感染性の廃棄物は,他の疾患に対して以上の特別な注意は必要ない.TSE 患者の在宅ケアの間に使われる注射針のような鋭利な廃棄物は貫通できない容器に回収され,それを扱う医師や処理の方法が確定している施設に戻すべきである.

そこで、高感染性組織、低感染性組織とは何か?

6〜7pageに記載があります。

公表された情報及び未公開の情報の双方において,中枢神経系(CNS),特に脳,脊髄と眼に,
頻繁にかつ高濃度の感染性があることが確認されている.これらの組織を「高感染性組織」と呼ぶこととする.
脳脊髄液(CSF)やいくつかの臓器(肺,肝臓,腎臓,脾臓,リンパ節,胎盤)にも,CNS より頻度は低いが感染性を認める.
これらの組織を「低感染性組織」と呼ぶこととする.
他の様々な組織で検査したが,感染性は確認されていない(心臓,骨格筋,末梢神経,脂肪組織,歯肉,小腸,副腎,甲状腺,前立腺,精巣).体液や排泄物にも確認されていない(尿,糞便,唾液,粘液,精液,母乳,涙液,汗,漿液性浸出液).
血液の感染性に関する実験結果は否定的か,感染性が確認された場合でも非常にわずかである.
また,輸血でCJD が伝播したという報告はない.
この報告書では感染防御の側面から,血液は感染性のない組織(「感染性が検出されない組織」)に分類する.

Table 2 人体における感染性の分布

感染性のレベル 組織,分泌物,排泄物
高感染性組織
脊髄
低感染性組織 脳脊髄液  肺
腎臓  リンパ節,脾臓
肝臓  胎盤
感染性が検出されない組織 脂肪組織  尿
副腎  糞便
歯肉  母乳
心筋  鼻粘液
小腸  唾液
末梢神経  精液
前立腺  漿液性浸出液
骨格筋  汗
甲状腺  涙液
血液(Section 5.2 参照)


しかし、18pageには次の記載もあります。

Infectious healthcare waste(介護に用いられた感染性廃棄物)とは,血液やその誘導体に接触して廃棄された物質,感染隔離病棟から捨てられたものなどと定義されている.これらには培養物や組織,ガーゼ,脱脂綿(dressing),綿棒(swab),血液が付着したもの,針付きシリンジ,メス,オムツ,血液バッグなどを含むが,必ずしもこれらに限定されない.‘TSE infectious healthcare waste’ という用語は,(1)TSE と確定したかその疑いのある患者の感染性組織,(2)角膜,硬膜,ヒト成長ホルモンへの暴露が確認されている人からの高感染性組織及びこれらの組織に接触したことのある使い捨ての製品,などに対して用いられる.

この定義によれば、「血の付いたガーゼ」も感染性廃棄物となっており、

CDCの環境管理のガイドラインで示された原則↓とは異なり、厳しいものとなっている。

Although any item that has had contact with blood, exudates, or secretions may be potentially infective, it is not normally considered practical ornecessary to treat all such waste as infective.(97page)