2004年2月2日(月)

真空採血管による採血業務 関連5団体が安全管理指針

採血管外部をアルコール消毒

日本環境感染学会など5団体は1月30日までに、患者と採血者の安全を主目的とした標準的採血手技に関する「真空採血管を用いた採血業務に関する安全管理指針(Ver.2.05)」をまとめた。そのなかで、ホルダーに血液が付着すると、採血管が汚染され、次の採血患者や検査室の職員にまで感染リスクが発生するとして、アルコールなどで消毒する必要があると指摘。採血ずみ血液が逆流した場合は、リスク回避のため、採血管ゴム栓部分などを消毒するよう呼びかけた。

2次感染防止に注意

 採血管を使った採血については、多くの採血管内が滅菌されていないため、血液の逆流による感染リスクが指摘されていた。厚生労働省が11月に通知を出し、医療関係者に対応を求めた。ただ、医療現場では、従来と採血手技が違うとして、患者と採血者の安全確保を優先した採血手技を示してほしいとの要望が出ていた。

 これを受け、院内感染などに関連する5団体(日本環境感染学会、日本感染症学会、国立大学病院検査部会議、日本臨床衛生検査技師会、国立大学病院感染対策協議会)が、今回の安全管理指針を取りまとめた。

 指針は、
(1)採血管を用いた採血業務の感染リスクの要因分析と対策
(2)採血管を用いた採血業務の安全指針
の2部構成。安全指針については、日本看護協会、東京都がまとめたマニュアルにほぼ準拠しているが、同時にホルダーに付着する血液を介する2次感染を防止するよう求めている。

 血液の逆流防止については、採血中に駆血帯を緩めてはならないと明記。仮に、採血管内の圧力が高くなった場合でも、採血管内の血液と、採血ホルダー内で採血管を穿刺(せんし)する穿刺針が接触していなければ、逆流しないので、患者の腕を下にさげた状態で採血するよう指導している。

 ただ、血液と穿刺針が触れていなくても、血液が泡だった場合には逆流のリスクは払しょくできないとして、注意を促した。

 さらに、採血管のゴムキャップ部分や針刺し事故防止の観点から、穿刺針を覆うゴムチップ部分にも、菌が付着している可能性があるため、該当部分の消毒が必要になるとしている。

 これまで複数回使用していた採血ホルダーについては、
(1)穿刺針をホルダーから外す際
(2)ホルダーから注射針(患者の皮膚に穿刺する側の針)を外す際
に、血液が付着するリスクがあると指摘。1患者ずつ、消毒したホルダーに換えて採血しなければならないとしている。

 このほか、ホルダー内に付着した血液が採血管外部を汚染すると、採血する看護師、次の採血患者、検査室の職員に、2次感染を引き起こす懸念があると指摘。そのため、採血者に手袋の着用を義務づけるほか、採血管外部のアルコール消毒などの措置を講じる必要性を明記している。

 寝たきり老人などに、注射器で直接採血する場合、採血管にゴム栓を穿刺して分注すると、針刺し事故が発生するとして、ゴム栓を外して採血分注するよう呼びかけた。

 最終目標として、「採血管内はすべて滅菌する」「血液漏れの少ないゴムチップ型穿刺針を使用する」「採血管側のゴム栓部分の滅菌化を図る」をあげている。

情報提供:Japan Medicine(株式会社じほう)