SARS患者環境の清掃・消毒に関する暫定勧告

2003.4.28

環境表面の清掃(洗浄)cleaningと消毒disinfectionは、医療施設における日常的な感染対策の重要な要素である。環境表面(たとえば、床、テーブル表面)は一般に微生物伝播に関与していないが、いくつかの表面、とくに頻繁に接触される所(たとえば、ベッド柵、ドアノブ、洗面台表面)は微生物の重要な汚染源であろう。これらの表面に触ると、微生物病原体は鼻、口、目やその他の環境表面に移される。手指衛生の実行(http://www.cdc.gov/handhygiene)と清掃・消毒を定期的に遵守することは、患者環境の微生物量を減少させるのに役立つであろう。これは医療現場でのSARS拡散を防止する重要な補助的方法かもしれない。感染防止責任者は清掃・消毒の訓練と指導を受けるべきである。SARS患者の多い区域では、この業務専任者の配置を検討すべきである。

SARSに関する環境の清掃・消毒の方法は、医療現場における他の感染症防止対策に使用されたものと同じ原理に従っている。

個人防御器具

清掃・消毒業務に関与する職員は適切な個人防御器具を着用すべきである。患者が病室にいる限り、接触および空気予防策(ディスポガウン、実用手袋utility glove、N95マスク)で必要なものと同様のものプラスアイ・プロテクション(ゴーグルか顔面シールド)に、完全な防御服を着用しなさい。(SARS感染防止のためのマスク使用に関する暫定的ガイダンス参照) 患者が転送あるいは退院したときは、退院後の清掃のためにガウンと手袋を着用しなさい。

換気システムが残留の空中ウイルス粒子を除去するための時間を与えるために清掃の開始を引き伸ばしなさい。合衆国の医療施設における最も一般的な患者ケア区域において、加熱、換気、空調システムは一般に1時間に約6回の換気を提供できるように設計されている。(結核のガイドライン参照)

清掃(洗浄)および消毒剤のタイプ

環境衛生のために医療施設で現在使用される、EPAに登録された病院用洗剤と消毒剤が使用されてよい。使用のための希釈(すなわち、濃度)、接触時間、操作上の注意についてはメーカーの勧告に従う。

清掃方法

SARS患者を収容した病室は毎日および患者の転室・退院時には清掃・消毒すべきである。

SARS疑い患者を診察する外来の小部屋、病室は、そこで別の患者を診察したり処置する前に清掃消毒されるべきである。清掃の特にターゲットとなる区域は、診察台や、患者や職員によって頻繁に触れられてきたと思われる水平面である。

清掃や消毒に使用した溶液は使用後には廃棄すべきである。SARS患者の病室や区域で使用された清掃用具は徹底的にリンス・消毒し、十分乾燥させなさい。再使用可能なモッブヘッドや清掃布は現在の方法で洗濯しなさい。

*SARSの原因と新たに検出されたウイルスの不活化に特に合衆国EPA(Environmental Protection Agency)に現在登録された消毒剤はない。しかしながら、SARS原因ウイルスに物理学的生化学的に類似した性質をもつ関連ウイルスは、一般使用時に低〜中レベル消毒効果のあるEPA登録消毒剤によって容易に不活化されることが知られている。

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