吉村昭 著 「蚤と爆弾」
731の史実を淡々と書いている。
「病理学、細菌学研究という名目で、関東軍防疫給水部に参加した医学者たちは、囚人を利用して自由な実験を試みた。その成果をかれらは学会に発表したが、生体実験に使用した人間を満州猿と表現することを常とした。
或る著名な細菌学者は、日本伝染病学会総会、満州医学会に、「実験材料」と題した左のような趣旨の論文を発表した。
「北満トゲダニ二百三匹を麻酔し、食塩水乳剤となし、これを満州猿の大腿皮に接種した。(中略)」
この論文中の満州猿が人間であるということは、一部の学会員が充分承知していることで、・・・(以下略)」(60~61頁)
筆者は石井を「天才的細菌学者」と何度も呼んでいるが、これには疑問を感じる。そう呼べるのは北里だろうに。
この書には善悪の判断が入ってない。
筆者がどのような立場で書いたのかわからない。
「諜報活動に従事していた者は死刑が当然で、国際法にも守られない」
「原爆で殺すのも、細菌で殺すのも、非人道的なことには変わりはない」(石井の言葉として)
何となく731の行動はやむえなかった、とする弁護調を感じる。
これでいいのだろうか?




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